Rolfing® Structural Integration

お腹にチカラを入れても表層筋しか緊張しないとは、目からウロコ 

60代男性(セッション3/10シリーズ・後編)

セッション3(表層セッションの終了後)のご感想、後編(メール)です。
前編(アンケートご回答)はこちら

クライアントからのメール

こんばんは、ご丁寧なご返事ありがとうございました。

こちらこそ毎回興味深いお話をうかがうことができて感謝しております。
先週のお話の中では、お腹にチカラを入れても表層筋しか緊張しない
ということが目からウロコでした。 柔道、剣道などの武道やその他のスポーツでも
臍下丹田に重心やチカラを保持するよう指導されることは一般的なので、
そういうものだと思っていました。
研究課題です。

セッション後の感想は施術による効果や変化をフィードバックして知っていただければと思って
お知らせしておりますので、お気遣いなきよう。

体の内部感覚を知覚することの難しさを改めて痛感していますが、
セッションが進むにつれて変化を感じられるようになることを楽しみにしております。

今日の午前中の合気道教室で、稽古が始まる前に軽いストレッチ後、
ビュンビュンと腕立て伏せを一気に三十数回やって仲間をビビらせました(笑)ので、
体調は良好です。 では、次回以降もよろしくお願いいたします。

ロルファー稲員のコメント


”丹田”、”インナーマッスル”、”コアマッスル”、ヨガの”バンダ”、など、
呼び名は違えどそのほとんどは深層筋を含む組織または機能を指していると考えます。

深層筋肉の多くは、不随意筋とも呼ばれる意識的に動かすことはできない筋肉です。
(「さあ、少し心臓を停めてみよう」と内臓の筋肉を意図的に動作させることができたら大変ですよね)

深層の筋肉は姿勢を維持するために働き、表層の筋肉は大きな動作のために働く、という役割があります。
これが”意図的に”姿勢をよくしようと腹直筋に力を入れたり、肩甲骨を寄せて胸を張ったりすると、
稼働するのは表層の筋肉だけです。

ただ立っているだけで表層の筋肉が使っているのは、エネルギー効率が悪い(疲れやすい)状態です。

そして、表層の筋肉が働けば働くほど、深層の筋肉は機能しなくなっていくのです。
(「姿勢維持も表層がやってくれるの?じゃあいいや」と怠けてきます。)

そうすると立っているだけ、座っているだけでも姿勢を維持することが難しくなり、
さらに姿勢をキープしようと表層の筋肉を使い、
さらに深層筋が働かくなっていく・・・という連鎖にはまってしまいます。

筋肉隆々の方が、筋肉をうまく使えているとは限らないのです。

また、特に筋肉を鍛えていない方でも、腹部・臀部・前腿・肩などの表層の筋肉に力を入れる癖がついていて、
かつその癖が当たり前になっていて力んでいることにも気づかない状態になっていることは非常に多いのです。

深層の筋肉を鍛えるにはどうしたらよいか?
それにはまず、表層の緊張に気づき、それをゆるめ、解放すること、
意図的に体を操作する癖を手放すことが大切です。

そして深層・表層がそれぞれの役割を正常に果たすようになって初めて、
自然発生的に”丹田”、”インナーマッスル”、”バンダ”が使えている状態になるのです。

意図的に動かせる筋肉(随意筋)、動かせない筋肉(不随意筋)について少し知っていただいていると、
普段の体の使い方にも新たな気づきがあるかもしれませんね。


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